日本市場で最も人気の高いジャンルであるA型両対面ベビーカータイプの中にあって最近特に注目度が高いのがオート4輪を搭載した軽量モデル。
背面、対面のどちらの走行時でも自在に前輪タイヤが動くオート4輪は大変便利な機能としてすっかり認知されるようになりました。
数年前のA型両対面ベビーカーといえば、軽いけどオート4輪がついていないモデル もしくは オート4輪がついているけど極端に重たいモデルの2種類しかありませんでした。
軽くて持ち運びやすく、押しやすいベビーカー《オート4輪搭載》は理想型ではありましたが、この2点が揃ったベビーカーの登場はつい最近になってから。
2013年12月に発売されたアップリカラクーナ(発売当時の名称はエアリアラクーナ) がこのジャンルの最初のモデル。発売当初からこの新しいコンセプトが当たり、実質ライバル機種がないことから大変な人気機種となりました。
その後、2015年3月にピジョンからランフィが、6月にはコンビからメチャカルハンディオート4キャス(現スゴカル)が発売になり、有力メーカー3社から同カテゴリーのモデルが出揃いました。
これら3機種ともに大きなコンセプトは一緒ですが、各メーカーさんの考え方などから細かな部分は異なります。
2018年8月現在の軽量+オート4輪搭載の最新人気3機種を徹底比較してみます。
*2019年6月現在、ここでご紹介する3機種は最新モデルではありませんが後継機種が登場しており、基本的な部分は一緒です
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3モデルの特徴と長所
3モデルともに基本コンセプトは同じ。
1.新生児期から利用可能なA型モデル
2.両対面機能装備
3.軽量
4.オート4輪(オート4キャス)装備
これら4つの機能を兼ね備えたモデルが2019年現在で最も人気のあるベビーカーの条件ですが、星の数ほど販売されているベビーカーの中で実際に探してみるとすべての条件を満たすのはここでご紹介する アップリカ ラクーナ、ピジョン ランフィ、コンビ スゴカル の3機種群しかありません。*1
*1旧モデル・派生モデル、販売店オリジナルモデルは除く
特に注目すべきは軽量でありながら、オート4輪を装備している点。
オート4輪は非常に便利な機能ながら、高額になること、重量が増すことなどから上位モデルにしか採用されていなかった特別な装備。
究極の使いやすさを求めると行き着く先はこの3モデルになると解釈いただければと思います。
基本コンセプトはどの機種も同じながらモデルごとに独自の個性があり、機種選定の際の重要なポイントとなってきます。
それでは機種ごとの大まかな特徴と機能を見ていきましょう。
アップリカ ラクーナ ソファークッション
*2019年6月現在、コンセプトが同一の「ラクーナクッション」が後継機種として販売されています。
軽量+オート4輪搭載ベビーカーのパイオニア、ラクーナーシリーズの最新モデル。
座面下に配置された「ソファークッション構造」により、路面から赤ちゃんに直接伝わる振動を吸収し、快適な乗り心地を実現。
コンフォートシートと呼ばれる左右上下に広いシートも合わせて採用。赤ちゃんは広々ラクチンに過ごせます。
ワンランク上の高級モデルに匹敵する赤ちゃんの快適な乗り心地に長けたベビーカーです。
*2018年10月、新型モデル「ラクーナクッション」が発売になりました。
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長所その1 赤ちゃんを振動から守るソファークッション機能搭載
街中でよく見かけるベビーカーを思い出してみてください。ガラガラと音を立てながら進むベビーカーは路面から発生する振動が少なからず赤ちゃんに伝わっているのが想像できます。
走行時の振動を軽減するため、ベビーカーは一般的にタイヤに装着した上下に動くサスペンション機能を介して安定性と乗り心地を確保します。
しかしながら、それだけでは振動は除去できずそれにプラスして何らかの策が必要なのはベビーカー界において常に考えられていた問題だったはずです。
ラクーナ ソファークッションはその難題を解決すべく、座面下にももう一つのサスペンションを配備。
タイヤのサスペンションと「ソファークッション構造」の床下サスペンションのダブル構造であらゆる方向の振動を軽減します。
この機能は乗り心地を重視したワンランク上の高級モデルの一部にしか採用されていない特別な装備。
アップリカ オプティアAC や ピジョン フィーノ で似たような構造が搭載されたことで話題となりましたが、このクラスのモデルでは初の試み。
利便性を重視したこのクラスのベビーカー群において赤ちゃんの乗り心地が最も高いモデルといえるでしょう。
長所その2 幅広コンフォートシート採用
広大なシート面を有したラクーナ ソファークションはこのクラス最大の広さとなりました。
他機種と並べてみるとその違いがよくわかると思います。(後日、画像を添付します)
シートの幅が広がれば赤ちゃんがのびのび過ごせるのはもちろん、外出時のおむつ替えの際もスムーズに行えるのでママにとっても利便性の高い機能です。
長所 その3 ベビーカーの新しい形
ここまでご覧いただいた2つの長所はグレードがワンランク上の高級モデルと同等の装備を搭載したことになります。
乗り心地を優先させた高級モデルは至れり尽くせりの装備を纏っているため、重量増は否めません。
しかしながら「ラクーナ ソファークッション」はわずか5kgちょっとで実現しているのがミソ。
軽量+オート4輪搭載カテゴリーのベビーカーはどちらかというとママの使いやすさを優先したつくりになっていますが、赤ちゃんへの配慮も怠らない本モデルは一歩先へ行く新しい形のベビーカーといえるでしょう。
ピジョン ランフィRA8
2018年2月発売の大人気、ランフィシリーズの最新モデル。
*2019年6月現在、後継モデルの ランフィ RA9 が発売になっています。
前輪16.5cm、後輪18.0cmという他競合モデルを圧倒する超大型かつ、シングルタイヤを採用した走行性能に注力したモデル。
スイング式サスペンションを装備した中空構造大径タイヤを核とした足廻りは街中で頻繁に遭遇する歩道の段差や荒れた路面でも柔軟に対応する走破性が魅力。
ベビーカーでは珍しいシングルタイヤは路面抵抗が少なく、クイックなハンドリングと軽快な走行性を実現します。
ランフィはワンランク上のストレスを感じない卓越した走行性能を発揮するお出かけが楽しくなるベビーカーです。
ピジョンランフィのレビューと口コミ、評価、使用感をまとめてみました
ピジョンの新型ベビーカー、ランフィRA8の発表会へ行ってきました
長所その1 大型シングルタイヤの採用でワンランク上の走行性実現
ランフィは軽量モデルに属しながら、走行性能を両立したレアなベビーカー。
前輪165mm、後輪180mmのタイヤは街中で遭遇する2cmほどの段差を難なくこなし、少々の悪路にも耐えうるA型両対面タイプにはめずらしいスペックを有しています。
このタイヤ径は上位モデルのコンビ アンブレッタ4キャス、アップリカ オプティアAC、ピジョン フィーノよりも同等もしくは一回り大きいサイズ。
通常、タイヤが大きくなれば重量は増しますが、たった5.3kgに抑えてあるのが最大のポイントです。
また、ベビーカーでは珍しい4輪ともにシングルタイヤを採用。路面抵抗も少なく、転がり抵抗が抑えられていることから、スムースかつクイックなハンドリングを実現しています。
*後輪は18.0cm
長所その2 間口の大きなバスケットの採用
ベビーカーの下カゴはどれも間口が狭く、使いやすいとはいえないものが多い気がします。
ベビーカーのカゴにガッツリ荷物を入れることはないと思いますが、気軽に使える機能性は欲しいところ。
ランフィの下カゴは間口が広く、出し入れは簡単。大きめのマザーズバッグだってこなします。
コンビ スゴカル4キャス
*2019年6月現在、コンセプトが同一の「スゴカルαHSモデル」が後継機種として販売されています。
ベビーカーのトップブランド、コンビの超人気モデル。
3機種の中では最も軽量のモデル。
オート4輪搭載モデルの中にはこれ以上軽いベビーカーも存在しますが、機能性全般までも考慮に入れた場合、この軽さは驚異的といえます。
スゴカルは老舗ブランドのコンビ製品らしい使い手目線で作られた完成度は秀逸。
ベビーカー本来のポテンシャルはもちろん、きめ細やかな配慮が随所に見られるトータルバランスに優れたモデルです。
コンビ スゴカルのレビューと口コミ、評価、使用感をまとめてみました
長所その1 クラス最軽量
オート4輪が装備されたベビーカーでは最軽量に属するモデル。
これ以上軽いモデルも存在しますが、充実した装備を有した人気3モデルの中では最軽量。
ラクーナ、ランフィに比べて3~500gも軽いのはかなりのインパクトがあります。
長所その2 新機能、持ちカルグリップを装備
近年のベビーカーは軽くなったとはいえ、折り畳み時は縦長になる構造から持ち上げて移動するのは大変困難でした。
従来のタイプではハンドル部分を持って持ちあげるため、背の低い女性は苦労されたと思います。
そこで考え出されたのが持ちカルグリップ。
ベビーカーの中間部分に持ち手を装着することで、脇に抱えて運ぶことが可能に。
安定して持てる上、軽く感じ、気軽に移動できる優れモノ。
簡単な装備ですが、ちょっとした気づきと心配りに感激しました。
長所その3 ハンドルアジャスターの装備
ハンドルアジャスターはハンドルの先端が折れ曲がる機能。
角度調整によって押しやすいポジションに設定できること、折り畳み時、全高が短くなるのでコンパクトに収納できる等のメリットがあります。
ここでご紹介する3機種の中では唯一の採用モデル。
長所その4 シートの取り外しがラクラク
コンビ製ベビーカーはどの機種もシートの取り付け・取り外しがとても簡単です。
そしてシート全体が外れるため、手軽に掃除・洗濯が可能。
シートは洗濯機での丸洗いができ、面倒なこともありません。
デリケートな赤ちゃん使うものだから常に清潔な環境を提供したいですね。
ラクーナ ソファークッション・ランフィRA8・スゴカル4キャスの比較表
*1 *2 |
アップリカラクーナ
ソファークッション
|
ピジョン
ランフィRA8
|
コンビ
スゴカル4キャス
|
---|---|---|---|
対象月齢 |
生後1カ月~36カ月 (体重15Kg以下) |
生後1カ月~36カ月(体重15Kg以下) | 1ヶ月 ~ 36ヶ月 |
重量 | 5.5kg | 5.3 Kg | 5.0 Kg |
サイズ(展開時) |
W490×D910~ 1045×H1000~990mm |
展開時(最大寸法):W516×D830×H1015mm (背面位)、W525×D945×H1015mm(対面位)折畳時 |
W487×D770~950× H870~1070mm |
サイズ(折り畳み時) | W490×D400×H1065mm | W516×D380×H1028mm |
W487×D450~480× 860~1010mm |
リクライニング角度 | 135度~150度 | 100度~175度 | 125~170° |
シート地上高(ハイシート) | 55 cm | 54.5㎝ | 55cm |
タイヤ径 | 約14cm | 対面走行時の前方車輪φ180mm、後方車輪φ165mm | 140mm |
バスケット(下カゴ)容量 | 24L | 20L前後 | 33L(耐荷重5kg) |
カラー | ノーティカルストライプ NV・ハーフサイクルレッド RD・レモンシルバームーン GR・モダントライアングル BK | ミニマルネイビー・シュシュグレー・アビスブルー・マニッシュブラック | ベルガモットイエロー/クラッシーネイビー/フィセルグレー/シリウスネイビー/フューシャピンク/アドミラルグレー |
価格 *3 | ¥59,940-(税込) |
¥57,240-(税込) 色によって価格が異なります |
¥59,400-(税込) ¥54,000-(税込) |
*1 本データは各メーカーページおよびネット上の情報を元に作成しております。
*2 2018年8月22日現在の現行モデルの情報です。
*3 税込価格。現行モデルは各社ともに原則としてどのショップでも価格は同じ。(上代価格)
上記比較表から気になる点を掘り下げてみた
3機種の中からどの部分を重要視して選択するかは購入者によってまちまちかと思いますが、個人的に特に重要と感じる箇所について意見を述べたいと思います。
重量について
ベビーカーはなるべく取り回し・持ち運びの楽な軽量モデルが一般的に好まれるのは想像のつくところでしょう。
重量増が必至なオート4輪が搭載されているモデルなのに「こんなに軽いんです」がウリのモデル群だけにライバルよりも少しでも軽量なモデルは大きなセールスポイントとなります。
前途、表内の重量比較をご覧いただくとわかるようにパッと目で入ってくる数字にはとてもインパクトがあります。 最軽量はスゴカルの5.0kg、最大はラクーナの5.5kg。
この500gの差は購入に際して左右する重要な部分となってくるのかもしれません。
ただし、ご自身にとって必要な機能を最優先させることをまずはお勧めします。この重量差は数字だけ見ると大きな差に感じますが、実機に触れてみるとそれほどではないというのが私の感想です。
気になる方は実店舗で手にとってご覧いただくことをお勧めいたします。
タイヤ径について
画像:ピジョン ランフィRA8
オート4輪の搭載で旋回性が向上したのはもちろんですが、それに合わせて従来の軽量ベビーカーに比べて3機種ともにタイヤが大型化されています。
タイヤ径が大きくなれば悪路面の走行にプラスになります。
タイヤ径は別表のとおり ラクーナ = スゴカル < ランフィ となります。
数字だけを見ればラクーナとメチャカルは小さいように感じますが、一般的なベビーカーの平均よりも大きいサイズなのでA型両対面ベビーカーとしては決して小さいタイプではありません。
むしろこの2機種はベビーカーとしてのトータルバランスを考えた結果、選定されたサイズではないかと想像でします。
対してランフィの場合、前途2機種に比べて二回りほど大きい165&180ミリサイズを使用。これは、ワンランク上のカテゴリーベビーカーと同等もしくはそれ以上に大きく、A型両対面ベビーカーではトップクラスの性能を誇ります。
詳しくはランフィのレビューと口コミ、評価、使用感をまとめてみましたをご覧ください。
これだけ大きなタイヤを装備し、足回りにも工夫を凝らしながら軽量にまとめてあるランフィは走行性については3機種の中では一歩リードしています。
カラーについて
意外と思われるかもしれませんが、ベビーカー選定の際に第一印象(デザイン)や、カラーリングで決める方が多いのは事実です。
有力な複数のベビーカーレビューページを見ればそこかしこにそういったコメントが多いことに気がつくでしょう。
子育てアイテムの中では特にファッション性の高い性質の商品であるがゆえにそういった選択方法も間違いではありません。
特にスペックが拮抗した前途3機種から選ぶとなれば、カラーからの選択も正当な選び方のひとつと言えるでしょう。
カラーリングはメーカーさんも苦心して考え抜いた末に送り出したもの。どれもハズレと思われるような色合いは現在のベビーカーではないものの、やはり人気・不人気色というのは出てくるようです。
因みにベビーカーはどのモデルにも共通してネイビーやブラックといった落ち着いたカラーに人気が集中し、定番となっています。
3機種のカラーを以下のとおり貼ってみました。
あなたのインスピレーションにかなう配色はありますか?
*カラーは2018年8月23日現在のものです
アップリカ ラクーナ ソファークッション
どんな服にも合う実用的で落ち着いたカラーが中心。
ピジョン ランフィRA8
イチオシはイメージカラーのアピスブルー。人気色のダーク系も充実。
コンビ スゴカル4キャス
2017年10月に発売された初期モデル、ベルガモットイエロー、クラッシーネイビー、フィセルグレー と2018年6月に新色追加された アドミラルグレー、シリウスネイビー、フューシャピンク は2018年8月現在、実売価格が異なりますので注意してください。
さいごに
ここでご紹介した3モデルは2019年6月現在のベビーカー界において不動のダントツ人気トップ3。
ベビーカー選定を真剣に研究・吟味していると必ずこの3台に行き着くほど、日本国内では最も需要のあるカテゴリーモデルなのです。
ここまでご覧いただいて各モデルごとの概要はご理解いただけたかと思います。
この3台の中から何を基準にどれを選ぶかは人それぞれ。
優れたベビーカーばかりなので、どれをチョイスしても後悔はないでしょう。
当ページをご覧いただいて、あなたにとって最適な一台を決定する後押しができれば幸いです。
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