日本国内では軽量でコンパクトなベビーカーに人気が集中しています。
軽量コンパクトタイプのベビーカーはネット上を見渡す限りとても使いやすく万能と絶賛されていますが、そのまま額面通り受け止めてもよいのでしょうか。
ここではあえて人気の軽量コンパクトベビーカーの裏の顔「問題点とデメリット」について掘り下げていきたいと思います。
目次
軽量コンパクトベビーカーの問題点とデメリットを真剣にまとめてみた
街中で見かけるベビーカーはどれも軽量コンパクトなモデルばかり。ベビー用品量販店へ出向いてチェックしてみても陳列されているほとんどのモデルはこじんまりとしたかわいいベビーカーが目立ちます。
それはなぜでしょうか?
答え ⇒ 売れるからです!
メーカーさんも売れる商品を出したいのです。
逆に大柄のベビーカーはそれほど需要がなく、はっきり言って売れないですね。
日本ブランドのベビーカーは新生児期から使えるA型といわれるモデルが中心で至れり尽くせりの機能が満載です。
これらを限られたサイズでしかも単体で納めてしまうのですから日本メーカーの技術力は相当スゴイと心から感心してしまいます。
まずはこのような軽量コンパクトなベビーカーがなぜ好まれるのかを知るために一般的に言われているメリットを見ていきましょう。
軽量コンパクトベビーカーのメリット
・軽量
・簡単に折り畳みが可能でコンパクトに
・持ち運びに便利
・背面、対面切替が簡単にできる
・オート4輪搭載モデルが主流で旋回性は高い
ベビーカー購入の際に日本の多くの人が求める部分をほぼ網羅しているのが軽量コンパクトベビーカーの特徴。ユーザビリティが高く文句のつけようがないように感じます。
では次に「軽量コンパクトタイプ」の対局にあるインポートモデルに多い大型のベビーカーがなぜ好まれないかをデメリットとして挙げてみます。
大型ベビーカーのデメリット
・重い
・折り畳み方法が複雑。コンパクトにならず収納に難あり
・大きく重いため持ち運びには難あり
・背面走行が主流で対面にできないモデルが多い。できたとしても切替作業は日本ブランドのように簡単にはできない
・オート4輪は未搭載。大柄のため旋回性は小型に比べて劣る
大型のベビーカーに抱くイメージはおおむねこんな感じだと思います。マイナス要素ばかりで使いたくないと感じる人が多いのは十分に想像できます。
「大型ベビーカーのデメリット」として列記した内容は、お気づきの方も多いと思いますが、実は「軽量コンパクトベビーカーのメリット」の内容をひっくり返しただけなのです。
それでは次に軽量コンパクトベビーカーのデメリットを掘り下げていきます。
軽量コンパクトベビーカーのデメリット
すべての面でスキのないように見える「軽量コンパクトタイプのベビーカー」ですが今度は前途でピックアップしたメリットをあえて逆の方向から見てみましょう。
軽量化のデメリット
軽量化は走行時の安定性や乗り心地を犠牲にしている点を認識しなければなりません。
軽量化するためには各所のパーツを小型化・簡素化する必要があります。例えばフレームを細くする、タイヤを小さくする、足回りを省略する、シート部分を簡略化するなどで対応していくのです。
この結果、走行性能や乗り心地はそれなりにそぎ落とされていくことは誰しも想像できることと思います。
コンパクト化のデメリット
コンパクトになれば持ち運びの利便性も増し、使い勝手は向上するのが一般的な認識です。
これに対するデメリットはあまり思いつかないように感じますが一番多い意見としてシートスペースが小さくなり成長の早いお子様に対応しずらいという指摘がネット上のユーザーさんの生の声としてはよく見かけます。
コンパクト化は前途で申し上げたような走行性の低下にも影響を与えてきます。
多機能性のデメリット
コンパクトに折り畳みができ、フルリクライニングも可能。しかも簡単作業で両対面に対応するなど、至れり尽くせりのパッケージングが魅力の軽量コンパクトベビーカーですが、駆動する部分が多いことからその分トラブルが出やすいと考えるのが自然です。
駆動する部分が多いということは遊び箇所も多く、剛性を重視したつくりにはしにくいというデメリットも考えられます。
両対面式のベビーカーによくありがちな「グニャグニャ感」はほとんどの方が受け入れている要素なのかもしれません。しかしながらインポート物の大型ベビーカーにはそのようなことはほとんどありません。
一流のメーカーが作っていることから当然そのあたりは考えられているとは思いますが、実際に不具合が出る(出やすい)箇所もいくつかあり、破損する例もいくつも見てきています。
インポートモデルに見る大型ベビーカーのメリット
今度は典型的な大型ベビーカーをプラスの方向から眺めてみたいと思います。
適度な重量バランスからくる安定性
重量増はいろいろな要因が重なって起こっている現象です。フレーム部が頑強なつくりになっている、大きなタイヤを採用しているなど、走行性能に特化している仕様となっているのが一般的です。
そのため、フレーム部分を左右に振ってもグニャグニャ感はなく、どっしりとしているため少々の段差を乗り越えることもそれほど困難ではありません。
ゆったりとした居住性
大きくなれば取り回しの不便さなど扱いにくさがまず頭に浮かびますが、大型化すれば赤ちゃんの居住性も同時にUPすることも忘れてはいけません。
「我が子は発育が早く、しっかりと乗せることができるのかが不安」という意見は多く聞かれますが、大型のベビーカーならばそのような心配は一切ありません。
大型のインポート物は年齢上限が高いモデルも多く、ゆったりとした居住性は赤ちゃんにとって大きなメリットといえるでしょう。
縦横のサイズが広がればそれだけ安定性も増してくるのです。
フレームの歪みが出にくく剛性感が高い
折り畳みが不得意という印象の強いインポート物の大型ベビーカーですが、これにも逆説的に考えると大きなメリットがあるのです。
フレーム構造が多機能化していないため駆動する部分が少なく、フレーム剛性はしっかりとできています。
左右に振ってもブレやグニャグニャ感はなくカチッとしているため、安定した走行性が体感でき、安心感はあります。
ベビーカーはお国柄が出やすい典型的な商品
日本国内では住空間や公共の場などはタイトな空間が多く、小型のベビーカーが好まれる傾向にあります。
対して欧米ではそれとは真逆の環境にあることが多いことから、ベビーカーの大きさに対する認識には違いが出てきます。
折り畳みについても同じようなことが言えます。日本では折り畳まないといけない空間が多いため、日本ブランドベビーカーの折り畳み構造が劇的に進化したものと思われます。対して折り畳みを必要としていない地域(国)ではそのあたりを進化させる必要がなかったと考えるのが自然でしょう。
結果としてインポート物は剛性感や走行性・安全性を重視し、日本ブランドモデルは使いやすさを重点に走行性・安全性を加味していくといった方向性をとっているものと思われます。
どちらも間違いではありませんし、双方を否定するつもりもありません。
ベビーカーは自動車に似ている
自動車は特にお国柄の出やすい工業製品であると思います。各国の環境や考え方が如実に出ていると感じませんか?
日本車は故障しない、コスパが高い、安全、安心という印象は日本だけではなく世界中で共通した認識です。
アメリカ車やドイツ車も独特の世界観があります。どれも間違いではありませんし、長所・短所はすべてにおいてあります。
ベビーカーも自動車同様、メインで利用されているお国柄が反映された製品となっているのです。
実際に利用されるユーザーさんがどの部分を最も必要とするかによってチョイスするモデルは変わってくるのです。
さいごに
ベビーカーには機種ごとの個性があり、長所の裏には必ず短所もあるものです。
誰しもが納得できるベビーカーなど世の中には存在せず、ベビーカーに何を求めるかによって選定機種は変わってきます。
ここでは軽量・コンパクトな日本ブランドベビーカーを否定する内容と捉えられる構成となりましたが、軽量コンパクトなベビーカーが絶賛されている昨今、このような側面もあるということをご理解いただきたかったのです。
大きく重いベビーカーは悪と思われている風潮にありますが、決してそうではないということも併せてご理解いただければと思っております。
少しでも参考になりましたら幸いです。